7日目にご紹介するのは栃木県小山市の杉田酒造さんが醸すお酒「雄東正宗(ゆうとうまさむね)」 純米吟醸 長期熟成 無濾過原酒 12BY。
のどかな田園風景が広がる「上泉(かみいずみ)」に明治初期に初代が移り住み、酒を醸したのが始まりとなっている杉田酒造。現在も普通酒から大吟醸まで全量、手間のかかる昔ながらの「佐瀬式槽搾り」でお酒を搾っています。
佐瀬式とは、「もろみ」をひとつひとつ、人の手で袋詰めし、丹念に積み重ねてから上からゆっくりと圧をかけてお酒を搾る、お酒の搾り方のこと。この方法では、お酒は少量しか搾り出せないため、搾る作業そのものを何度も何度も繰り返し、丁寧にお酒を搾るしかありません。
そんな作業の末に醸されたお酒の1つが今回ご紹介する「雄東正宗(ゆうとうまさむね)」 純米吟醸 長期熟成 無濾過原酒 12BYです。
また今回ご紹介するお酒にはもう一つ秘密があります。こちらのお酒、設定温度0度の冷蔵庫で貯蔵された長期熟成酒。12BYと銘打つ通り、醸造より十年以上の歳月が経っていますが、「古酒」ではなく「熟成酒」。
こちらの「熟成酒」を飲むと、その年月によってまさに「熟れた」お酒がこんなにも美味しいのか、と驚いてしまいます。
ひとくち含むと、丸みを帯びた甘みながら芯は酒感を主張する芯の太さを感じます。しかしながら10年以上前のお酒とは思えないほどの果物の梨のような爽やかな味わいと香りをフィニッシュに感じることができます。
また空気としっかりと合わせると、より10年以上熟成されていたお酒が目を覚まし、徐々にその輪郭を表してきます。日本酒とは新酒を楽しむもの、という概念を大幅に覆してしまう、まさに、「熟れた」お酒の素晴らしさを教えて頂いた、そんなお酒、それが「雄東正宗(ゆうとうまさむね)」 純米吟醸 長期熟成 無濾過原酒 12BYでした。
お酒の情報
銘柄名:「雄東正宗(ゆうとうまさむね)」 純米吟醸 長期熟成 無濾過原酒 12BY
酒蔵:杉田酒造
原料米:山田錦
精米歩合:50%