19日目にご紹介するのは近年、新たな日本酒の未来を予感させるようなお酒を醸している新政酒造さん。
新政という名前は、実は明治政府の施策の大網である「新政厚徳(しんせいこうとく)」が由来となっています。
その意味は「厚き徳をもって新しい政(まつりごと)をなす」意味をもち、西郷隆盛公によって作られた造語です。
またこの酒蔵さんのその精神は、様々なところに受け継がれており、例えば、現存する最古の酵母「新政酵母(協会6号)酵母」は醸造研究者であった五代目によって分離され、現在の酒造技術の向上に寄与しています。
さらに平成25年度醸造分からは、仕込みの一部に木桶によるもろみ発酵を導入して、新たな世界への挑戦をおこなっている、というまさに「厚き徳」をもって「新しい」日本酒を醸し続けている酒蔵さんだと思います。
そんな新政酒造さんのラインナップの中から、今回ご紹介するのはCOLORSというシリーズの「新政 コスモス 生酛木桶仕込み純米2014」。
こちらのお酒は秋田県産の改良信交という酒米をつかい、古式生酛(酒母)+木桶で発酵し、醸したお酒。
改良信交ならではの米のやわらかな口当たり、ふくよかな米の旨みの広がりは、まさに新政さんならではの味わい。
また古式生酛(酒母)+木桶という手法により、軽い木の香りがするのですが、それが全く嫌みのない香りで、逆にお酒に清涼感すら感じるほどです。
どっしりとしたお米のウマミ、そして爽やかな木の香り。まさに日本酒の未来の種のような可能性を感じるこちらのお酒。
しっかりと味わって未来までその味わいの記憶を取っておきたい、そんな日本酒の1つだと思います。
お酒の情報
銘柄名:新政 コスモス 生酛木桶仕込み純米2014
酒蔵:新政酒造(秋田県秋田市)
原料米:秋田県産改良信交
精米歩合:40%